ファイトケミカルとは
今、「ファイトケミカル」が密かに注目されていることはご存知でしょうか。
ファイトケミカルって言葉を知っている人もいれば、初めて知った方もいるでしょう。
最近、第7の栄養素として知られるようになり、私たちの身体に驚くべき効果やパワーを発揮してくれるのはもちろん、
若返りに必要な抗酸化作用などの効果もあることで注目されている。
今回は〝ファイトケミカル〟についてご紹介したいと思います。
ファイトケミカルは、野菜や果物が、虫や紫外線などの外敵から身を守る為に、
作り出す成分を〝ファイトケミカル〟と言われています。
これらは、私たちの身体や健康に良い影響を与えてくれることで、ここ数年で注目を集めました。
ファイトケミカルは、過ごしやすい環境を求めることができる動物とは違い、
植物はその場で激しい環境の変化に耐え抜いていかなければなりません。
過酷な環境を生き抜くために身についた自己防衛能力だと言われています。
人間では生成できない 第7栄養素
私たちが生きていく為には、食事から得る栄養素が必須となります。
昔は3大栄養素の①糖質、②タンパク質、③脂質が大切とされており、1910年ごろには、
5大栄養素の④ビタミン、⑤ミネラルの2つが加わりました。
90年代になり、⑥食物繊維、⑦ファイトケミカルの7第栄養素が注目されるようになりました。
ファイトケミカルは、必須栄養素ではないですが、
健康を保つのに重要であることがわかってから、ガンなどの関連で研究が進められています。
ファイトケミカルの 種類や効果
赤い野菜と果物 | |
赤い色素は老化物質を除去する抗酸化物質や紫外線から守る働きがあります。
また、赤い色素は細胞の形成を活性化させ、造血作用がある。ガン予防の効果も。 |
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トマト | 赤いトマトに含まれているリコピンには、抜群に強い抗酸化作用がある。
また、活性酸素の除去能力でメラニン生成を抑制し、美肌に繋がります。 しかも、リコピンは熱にも強いので火を通す料理でも効果を発揮します。 |
スイカ | 赤いスイカにもリコピンが豊富に含まれています。
他にもβカロチンが含まれており、活性酸素を抑える効果や、生活習慣病や免疫力を高める働きがあります。 |
唐辛子 | 赤い(唐辛子、パプリカ、ピーマンなど)には、カプサイシンが含まれている。
カプサイシンにも、強い抗酸化作用の効果がある。新陳代謝を活発にし、冷え性や疲労回復にも。 また、不要なコレステロールを排出する働きがあり、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病予防に効果あり。 |
イチゴ | ビタミンCが多く含まれており、お肌に大切なコラーゲンの生成を支えている。
また、抗酸化作用があるポリフェノールの一種、アントシアニンが含まれている。 これは目にも良い効果がある。目の網膜に作用し、視力の悪化を防いでくれたり、目の疲れをやわらげる効果。 |
その他の食材 | ・りんご・いくら・鮭・マグロ・ラディッシュ・さくらんぼ・たらこ・えび・柿など |
緑の野菜と果物 | |
緑色をした野菜は大抵、光合成色素クロロフィルが含まれている。
完全に解明はされていないが、(貧血、美顔、消臭、殺菌、デトックス、アレルギー)などの効果があるとのこと。 |
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ほうれん草 | 色素成分の「ルテイン」は、目などの酸化から守る効果や回復などが期待。
また、ほうれん草には「βカロテン、ビタミンC、ビタミンB群、ビタミンE、鉄分」などの栄養素が多く含まれているため、栄養価が高い野菜類ではトップクラス。 |
ブロッコリー | ブロッコリーにはレモンよりもビタミンCが多く含まれている。
また、葉酸が多く入っていて、正常な細胞の増殖を助ける働きがあり、妊娠前後の女性は特に多く摂取する必要があるとされています。(通常必要量の約1.7倍)。 デトックス効果も◎ |
その他の食材 | ・レタス・アスパラガス・オクラ・きゅうり・春菊・チンゲン菜・豆苗など |
黄色やオレンジ色の野菜と果物 | |
オレンジ色をした食材には、活性酸素を除去する抗酸化作用がある。
ガンの予防や目に良い効果が期待できる。 また、腸内環境を整える効果があるので、胃腸のぜん動運動を促進する働きや、便秘の改善に繋がります。 これらは、他の野菜や果物と比べると熱に強い傾向。 |
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にんじん | βカロチンは、身体全体のアンチエイジング効果が非常に高い。
様々な野菜の中でトップクラスの抗酸化力の持ち主。 美肌効果も高く、皮膚の新陳代謝を促進する働きがあり、乾燥や日焼け、脂症のよる肌トラブルを軽減する。 他にも、ガン予防、目のアンチエイジング、口内炎や歯周病の予防なども期待できる。 |
かぼちゃ | かぼちゃにも多くのβカロチンが含まれてます。
特に、色の濃ゆさに比例してβカロチンが入っている。 また、熱に強いので加熱しても壊れにくい性質がある。 かぼちゃの皮(ポリフェノール、ミネラル、食物繊維)には、果肉よりも栄養価が高いので、皮ごと調理するのがおすすめ。 |
生姜 | 生姜には、ガン予防でトップクラス。
他のも、私たちの体に良い効果がたくさんあります。 |
その他の食材 | ・とうもろこし・ヤングコーン・マンゴー・バナナ・レモン・オレンジ・みかん・パイナップルなど |
青や紫の野菜と果物 | |
青や紫には、若返りカラー。ポリフェノールの一種アントシアニンが含まれている。
ぶどうやブルーベリー、プルーンなどの青紫系の野菜や果物には、抗酸化作用が強くて、目の疲れや回復を促進したり、血液をサラサラにして若々しく保つ効果も。 |
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ブルーベリー | ブルーベリーは別名、奇跡のフルーツと言われ脚光を浴びています。
その力は、目の効果(白内障、目の疲労、目のアンチエイジング)、血液トラブルなどが期待されている。 |
ナス | ひと昔前は「ナス」には栄養がないと認知されていました。
ですが、豊富なアントシアニンが含まれており、老化防止の作用が期待できる。 |
その他の食材 | ・さつまいも・巨峰・紫玉ねぎ・小豆・レッドキャベツ・イチジクなど |
白の野菜と果物 | |
白い野菜などの特徴は、太陽の光を浴びて光合成をしない野菜が多い。
白い野菜には、苦味や刺激がある香りのものが多く、抗菌作用があるものが多い。 |
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大根 | 大根にはビタミンB群、ビタミンC、カルシウム、カリウム、鉄分などのミネラルを幅広く含んでいます。
胃腸の調子を整える働き(消化酵素アミラーゼ、ガラクターゼ)があることから、「天然の消化剤」などと言われている。 他にも、食物繊維と消化酵素の助けによって便秘やダイエットの改善効果。 イソチオシアネートによる活性酸素の除去効果や、ビタミンCによる美肌効果。(大根の皮は果肉よりもビタミンCが2倍) |
もやし | スーパーでも比較的安い「もやし」。
美容に注目されている成分がイソフラボン。 イソフラボンには女性ホルモンの一種「エストロゲン」が含まれている。 特に、このエストロゲンは別名「美肌ホルモン」と言われており、女性にとっては大切になってきます。 更年期症状の軽減、女性の体を作る、自律神経を整える、骨を丈夫にするなどの効果が期待できる。 |
その他の食材 | ・カリフラワー・牛乳・玉ねぎ・えのきだけ・長芋・ニンニク・たけのこ・長ネギなど |
黒の野菜と果物 | |
黒い食材には、「ガンの抑制、動脈硬化の予防、抗アレルギー作用、抗酸化作用、エイジングケア」などの効果が期待。 | |
ワカメや昆布 | ワカメ、昆布、ひじき、海藻類に含まれている「フコキサンチン」の代表的な効果は、ガン細胞の自滅効果を促進。
ガン細胞は自ら自滅しないとされています。 このフコキサンチンの「アポトーシス誘導」は、ガン細胞に自滅を誘発させる効果があると言われている。 「のり」などに含まれている「カロテノイド」には「抗酸化作用、免疫活性化、抗がん作用、生活習慣病」などの効果がある。 コーヒーやゴボウなどに含まれている「クロロゲン酸」は、「がん、糖尿病、腎臓病、肝臓病、ダイエット」などの効果。 |
のり | |
コーヒー | |
ごぼう | |
その他の食材 | ・もずく・めかぶ・ひじき・干しぶどう・きくらげ・黒ごま・黒豆・こんにゃくなど |
捨てるクズ野菜は 美容エキスの宝庫! ファイトケミカルレシピ
ファイトケミカルを活用したレシピにチャレンジしてみましょう。
まずは、料理レシピの前に「だし」作りです。
皆さんは野菜を切った時に、皮や根っこの部分を当然のごとく捨ててませんか。
実は、野菜の皮や根っこの部分には栄養が豊富に含まれているのです。
その部分には、美容には欠かせない「抗酸化作用=老化防止」や美容効果など、たくさんの栄養が詰まっているので、余すとこなく使いましょう。
ゴミ箱行きのクズ野菜が 万能だしのベジブロスに
野菜の栄養が詰まっているとこ
種 | カボチャやピーマンには種が入っていますが、普通はそのまま捨てますよね。
これらには、植物にとって子孫を残すために重要な部分になります。 種やワタには、ビタミンやミネラルなどの栄養素がたくさん入っています。 また、カボチャの種にたくさんの栄養素が含まれていることから、カボチャの種を使ったレシピまで存在します。 |
皮 | 知っている方も多いですが、捨てている皮には栄養素が詰まっています。
それだけではなく、皮には紫外線から守る働きや、菌から守る働きなど、野菜などの表面を保護する能力が高いため、ファイトケミカルが豊富に含まれているのです。 ジャガイモ、茄子、大根、人参など、皮を捨てる方が多いですが、栄養の宝庫なので、「だし」にとっておきましょう。 |
身と皮の間 | ピーラーヤ包丁で皮をむいた時には、身と皮の間も一緒に捨てられることになります。
この身と皮の間こそ、栄養が豊富に含まれている。皮をむいたとしてもとっておきましょう。 |
成長点(芯) | 成長点は、生命力が強い部分で、切って水につけると芽が出たりする。
やはり、栄養素はもちろん、ファイトケミカルの宝庫でしょう。 最近では、成長点も料理して食べる人もいるくらい、野菜の栄養素がギュッと詰まっている。 食べないにしても、捨てずにとっておきましょう。 |
ベジブロス=だしの作り方
この「だし」があれば、「和風、洋風。中華」どれにでも旨味をプラスして、老化を予防するベジブロスを作ることができます。
毎日食べる味噌汁やスープ、炊き込みご飯など、全ての料理に使えると行っても過言ではありません。
今まで捨てていた野菜で「ベジブロス」を作ってみましょう。
基本的な材料
・野菜の切れ端や皮を両手いっぱい
(例)・長ネギの青い部分・玉ねぎの皮やヘタ・ごぼうの皮・しいたけの石づき・パセリの軸・セロリの葉・人参の皮やヘタ・ジャガイモの皮・ピーマンの種やヘタ・大根の皮やヘタなど。
野菜などが足りない時は、昆布、いりこ、干し椎茸などを使って香りを足しましょう。
・水
1ℓ〜1.5ℓ
・酒
小さじ1〜2
❶:大きめの鍋を準備します。1L以上がおすすめ。野菜はよく洗って両手いっぱいくらいの野菜を鍋に入れて火にかける。
❷:野菜の臭み消しで、酒を小さじ1〜2入れます。野菜の旨味を引き出すため。
❸:弱火で20〜30分煮込みます。アクにもファイトケミカルの栄養素が入っているので、取らない方がおすすめ。
❹:鍋をボウルに移す。ザルなどで濾しましょう。
❺:保存は、粗熱が取れたら容器に入れて冷蔵し、3〜4日間以内に使い切りましょう。
いかがですか。
野菜や果物には、長い歴史の中で種の存続のために培った栄養素は、私たちの体をサポートしてくれているのです。
今回は【知っておくべき!若返り栄養素の「ファイトケミカル」レシピ】をご紹介しました。
ぜひ、野菜の効果を知って買い物してみてはどうでしょう。